沖縄で鉄を作ってるって知ってた?究極の循環型企業「拓南グループ」の熱すぎる裏側に潜入!
拓南グループ
記念すべき第1回にご紹介するのは、沖縄の街づくりとエコな社会を最前線で牽引する「拓南グループ」です。
沖縄の経済発展に絶対に欠かせない“縁の下の力持ち”が、今後どんな未来を描き、どんな仲間を求めているのか。
人事担当の比嘉さんへのインタビューを通じて、その知られざる素顔に迫ります。
お話をお聞きする方
インタビュアー
拓南グループとは?
1953年の創業以来、沖縄のインフラと経済発展を「鉄」の力で支え続けている企業グループです。
戦後の「台風に負けない家づくり」をルーツに持ち、「鉄を拓(ひら)いて琉球を興(おこ)す」という強い理念を掲げています。
2023年には創業70周年を迎え、長きにわたり沖縄の街づくりに貢献してきました。
グループ最大の強みは、沖縄県内で発生する鉄スクラップを回収・加工し、再び建築資材として蘇らせる「完全循環型リサイクルシステム」です。
沖縄唯一の電気炉メーカーである『拓南製鐵』を中核に、県内の廃棄物を限りなくゼロに近づける「ゼロエミッション」を目指し、持続可能な社会の実現に向けて先導的な役割を果たしています。
現在は県内外の8社1組合が強固に連携し、事業は多角化しています。
鉄鋼の製造・販売やリサイクル分野にとどまらず、鉄骨・土木工事を担う建設分野、全国を相手にする商社機能、さらにはゴルフ練習場などのサービス業まで、幅広いフィールドでグループの総合力を発揮しています。
インタビュアー山里(以下、山里):比嘉さん、本日はよろしくお願いします!拓南グループさんが沖縄の中で資源を循環させていること、すごくスケールが大きくて驚きました。なぜ、これらすべてを「グループ」で行っているのでしょうか?
拓南グループ人事担当比嘉さん(以下、比嘉さん):よろしくお願いします。企業理念が「沖縄の振興発展に貢献する」ことなので、沖縄で出たゴミや資源はしっかりと沖縄で循環させる、というのが我々の第一使命なんです。
一般的に、鉄筋を作った後は大手ゼネコンさんや建設会社さんに渡っていくわけですが、ただ製品を渡すだけだと「その鉄筋がどう使われて、どう循環されているのか」という後追い(トレーサビリティ)が分からなくなってしまいます。さらに、建設の現場では「サビを防ぐコーティングをしてほしい」といった、沖縄の風土に合わせたニーズも出てきます。だからこそ、拓南製作所を含めたグループを展開し、発生した資源が最終的にどう生まれ変わってモノづくりに活かされているのか、最後まで責任を持てるようにしているんです。
山里:なるほど。地元の建設会社さんとの「共存共栄」という側面もあるんですね。
比嘉さん:そうですね。グループそれぞれの視点で事業展開をすることで、我々だけでなく地場の企業さんとも共存しながら、県全体の発展に繋げていきたいという想いがあります。
あえてCMは打たない!?「共存共栄」の本当の意味
山里:従業員が700名規模で、73年の歴史があって、さらには沖縄唯一の電気炉メーカー。もっと大々的にPRしても良さそうですが……?
比嘉さん:これが自慢かどうかは分からないんですけど(笑)、実はCMとかを一切打ち出さないんです。
CMの打ち出し方にもよると思いますが、例えば、アルミ缶を自転車にたくさん積んでるおじいちゃんやおばあちゃんを見たことありませんか?ああいった方々も、拓南商事に資源を持ってきて買い取らせてもらっているんです。もし我々が大々的に「拓南商事に持ってきてください!集めますよ!」と宣伝してしまうと、自転車で持ってくるおじいちゃんたちの生計が立てられなくなってしまいます。
山里:たしかに、そうですね。
比嘉さん:家電を運搬する業者さんや、廃自動車の解体業者さんも、個人事業主を含めてたくさんいらっしゃいます。我々が宣伝することで、これまでの資源の商流や雇用の変化など、場合によっては共存共栄できなくなってしまう可能性があるんです。だからこそ、沖縄の振興のために本当に県民のみなさまに支えられ縁の下やっている。あえてPRしないところが、ある意味で自慢に繋がってくるのかなと思います。
入社後のギャップと、プライベートの「うんちく」
山里:比嘉さんご自身は、入社前と後で会社へのイメージにギャップはありましたか?
比嘉さん:入社前は「そもそも拓南グループってなんだ?」という感じでした(笑)。でも入社して、目には見えないけれど沖縄の建物の骨組みを作って、街を形成する部分に携わっているんだと知りました。戦後8年後からスタートして、当たり前にあるものを73年前から作っている。自分が生まれ育った街に貢献しているという自負が芽生えましたし、沖縄の歴史をそこで感じられたのはすごく良かったです。
山里:この仕事をしていて良かったと思う瞬間はどんな時ですか?
比嘉さん:日々のプライベートの「うんちく」が増えることですね(笑)。自分が使い終えた家電や自動車が、後から鉄筋になって自分の住んでるアパートに使われてるかもしれない。家電の捨て方が分からなかったのが、どう処理されてどうなっていくのか分かるようになる。当たり前のことが当たり前じゃなく企業がやっていて、モノづくりに活かされているのを知った時は、ここに入って良かったなと思います。会話のネタが増えて、おじぃおばぁとの会話が増えたりも含めて、非常に働いてみて良かったと感じますね。
100%への挑戦と、時代とともに変わるSDGs
山里:鉄をリサイクルして新しい鉄を作るというのは、まさに今求められているSDGsの取り組みですよね。
比嘉さん:もともと鉄を作るのには、鉄鉱石や石炭を原料として還元する「高炉」と、鉄スクラップを原料に電気の力を使って溶かす「電気炉」があるんですが、我々は70数年前からクリーンな電気の力を使った電気炉メーカーとしてやってきています。なので、今に始まったことではなく、仕事の成り立ち自体がSDGsだったりするんです。
山里:すごい歴史ですね!実際、回収した資源はどれくらいリサイクルできているんですか?
比嘉さん:100%できているかと言われたら、実は約97%なんです。残りの3%はどうしても埋め立てたりする事実があります。我々はこの3%を100%に近づけるための技術研究にものすごく力を入れています。全国の電気炉メーカーさんやリサイクル業者さんと月に一回レベルで技術交流をしたり、世界がどういう取り組みをしているかヒアリングしたりしています。
山里:車業界などもどんどん進化していますが、リサイクルにも影響はありますか?
比嘉さん:はい。ハイブリッド車や水素燃料の自動車など、時代とともに新しい車が出てくれば、「じゃあこの水素はどう回収して使うのか」「電気自動車のバッテリーはどう再部品化するのか」と常に考えないといけません。答えがない中で、持続可能なものにするために常に勉強し続けないといけない。そこが課題でもありますね。
「自分のために」がみんなのためになる
山里:働き方についても教えてください。最近は女性社員の方も増えているとお聞きしました。
比嘉さん:直近5年くらいは毎年女性の採用があります。事務所で働く方も多いですが、現場で働きたいという意欲を持っている方も毎年1、2名入ってきています。バリバリ重機を運転したり、鉄筋を運ぶ時の「玉掛け」をしたり。最近だと大型免許を取って鉄筋を運ぶドライバーとしてやりたいという女性もいて、幅広いセクションで活躍する人材が増えていますね。
山里:キャリア形成はどのようになっているのでしょうか?
比嘉さん:専門・大卒の皆さんには、将来的に部長や役員といった「管理職」になるステップで入ってもらいます。最初の1、2年目は現場の事業実態を肌で感じたり、営業や生産管理でコツコツ力量をつけてもらい、最終的にはマネジメントや経営的側面までいく流れです。高卒の皆さんは、現場の中でのトップを目指すといった形で、キャリア形成のステップが少し異なりますね。
山里:県外に進学したUターン学生などに期待することはありますか?
比嘉さん:私も千葉の大学に行っていたんですが、沖縄から出ることで得られるものはたくさんあります。物価や街並みの違い、生活して感じた肌感や価値観、コミュニケーションの質など、県外で経験したことはぜひ活かしてもらいたいです。
我々企業としても、沖縄の中だけで固まって「井の中の蛙」状態にならないように、新しい視点を吸収したいからこそ県外の方も積極的に採用しています。お互いにコミュニケーションの質を高め合っていきたいので、一回沖縄から出た視点というのは、入社してからも遠慮なく発揮してほしいですね。
山里:どんな学生と一緒に働きたいですか?
比嘉さん:「自分のためにチャレンジできる人」です。社訓にも『自分のために みんなのために』とあるんですが、大体「みんなのために働きたい」と言いがちですよね。でも、自分のために色んなことにチャレンジして、初めてみんなのためになるんだというのが創業者のイメージなんです。とことん自分のためにチャレンジできる、基本軸が自分にある方と一緒に働きたいですね。
山里:素晴らしい言葉ですね。
山里:最後に、拓南グループさんの今後の将来像についてお聞かせください。
比嘉さん:10年後、20年後も変わらず、沖縄の地域循環のために持続可能な状況を作り、県に貢献できる企業でありたいです。今後、強度の高い建物が出てきて30年40年経った後も、「まだ拓南がいて、リサイクルしてまた鉄筋が作れるよ」と。100年後も残っていけるように、今100周年に向けたプロジェクトもやっています。揺るぎなく、沖縄のためにやっていく企業であり続けたいですね。
山里:その未来、とても心強いです!比嘉さん、本日は熱いお話をありがとうございました!
比嘉さん:ありがとうございました!
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